工夫しながら暮らすのが楽しい

―旅する暮らしは楽しい？

もちろん。例えばフィンランドではホームスクール（通学せず、家庭で学習できる制度）もあるし、家族みんなが一緒に居ながら仕事ができるんです。もちろん、大変なこともあるけれど。仕事が忙しい時は子どもたちが起き出す前に起きて作業したり、今日みたいにTimoに子どもを遊びに連れて行ってもらったりしています。フィンランドの家には仕事部屋があるけれど、日本の家は仕事場も生活スペースも一緒だから、いろいろと工夫が必要なんです。Timoはプロデューサーの仕事の他に、子どもの面倒や料理も担当しています。私って料理ができないの、まったくといっていいほど！！（笑）

―素敵なパートナーシップですね

Timoはなんでもよく見てくれる人。いつも感謝しています。こうやって工夫しながら、家族みんなで一緒に暮らすことからも、毎日たくさんの刺激を受け取っているんですよ。この部屋をリノベーションすることも、大変だけど、楽しみながら。出来上がりにはまだ程遠いんだけど（笑）実はテーブルも手に入れたばかりで、最近まで床で作業していたんです。年始は急にブレーカーが落ちてしまって、大変だったし…。まあいろいろとゆっくりと、ね。ひとつずつ作っていけばいいかなって思ってます。今、シャワーしかないから、まずはお風呂を完成させるのが目下の目標。あとね、住んでから気づいたんだけど、部屋の窓から小さいけれど富士山が見えるんですよ。東京の真ん中から富士山が見えるなんてステキでしょ？ここでの暮らし、とても気に入っています。

思い出が宝物になる

―家の中がとてもスッキリしていますね

旅をすることもあって、ものはあまり買わないようにしているんです。買うときはとても慎重になります。作り手の想いが感じられるものや、ハンドクラフト、ぬくもりを感じるようなものや、その土地らしいものが特に好きです。でも、なんといっても特別なのは家族との思い出の品。先日までマレーシアのランカウイ島に行ってきたのだけれど、ちょうど滞在中にMimiが7歳の誕生日を迎えたので、記念に浜辺で貝殻を年の数だけ、７枚一緒に拾って、その貝の裏側に彼女が絵を描いたんです。楽園のような島で一緒に拾った貝殻のバースデーカード。家族との大切な思い出を閉じ込めた宝物です。わたしは、子どもたちには自由に生きていって欲しいと思っています。無理に家に閉じ込めることは決してしないつもりです。本人の意志で、どこにだって行けるように、どんな世界でも見て、感じて、刺激を受けられるように、と願っています。

インタビュー終盤にTimoさんと子どもたちが散歩から帰宅。フレンドリーなTimoさんは優しい笑顔が印象的。仲良し姉妹のMimiちゃんとMuusaちゃんはお土産のヘアアクセサリーをさっそくつけ合いっこするおしゃれさん。Timoさんに抱っこされながら、恥ずかしそうにしていた末っ子のvilliちゃんにはいたずらっ子な一面も。笑顔のあふれる素敵なご一家でした。