百色なひと File.02 [1/2] 2018.03.20
旅して、つくって、暮らす。 前編
ヨップス ラムさん │ アーティスト/デザイナー
渋谷駅からほど近く。シックなヴィンテージマンションの一室にJopsuさんと家族の暮らす、
「東京の」家があります。フィンランドの家具メーカーartek(アルテック)や歴史ある食器デザインブランドiittala(イッタラ)に加え、日本ではIDÉEや無印良品、New Balanceへのデザイン提供もしている彼女は、家族とともに祖国のフィンランドと日本(東京)を拠点に、世界中を旅しながら暮らしています。あたたかな光の差し込むご自宅で、Jopsuさんと家族の旅する暮らしについてお聞きしました。
家族みんなで旅をしながら仕事も
―どうして日本に?
高校生のときに日本に留学したのがきっかけです。その時のホストファミリーにはとてもお世話になって、今でも日本に来るたびに会っています。今は19歳のときに知り合ったパートナーのTimoと、3人の子どもたちとの5人暮らし。長女のMimiは7歳、次女のMuusaは4歳、末っ子長男のvilliは1歳。フィンランドのヘルシンキと東京を拠点にしながら、家族みんなで世界中を旅して暮らしています。Timoと子どもたちは今散歩に出ていて、もう少ししたら帰ってきますよ。
―お仕事も世界中で?
ええ。フィンランドではもちろん、日本、フランス、イギリス、アメリカでも仕事をしています。いろんな国を旅しながら仕事をするのが私たちのスタイルなんです。Timoと私はグラフィックデザイン、スペースデザイン、動画など様々なクリエイティブ活動をする「MUSUTA」というクリエイティブユニットを運営していて、Timoはプロデューサー、私はデザイン、ドローイングや映像演出、アートディレクションを担当。映像演出、モーションアニメーションをやりながらドローイング、イラスト、作品づくりもやっているから大変だけれど、楽しい仕事です。自分の手で作ること、描くことが大好きだから。
旅からもらうインスピレーション
―この鳥のオブジェもJopsuさんの作品ですよね
これはLINTUPILLI (オカリナ) という作品。ちゃんと音が鳴るんですよ。大きなイラストの横に描いていた小さな鳥の絵をモチーフに、楽器のオカリナを作ったんです。クリエイティブのインスピレーションの多くは旅から得ています。旅先で出会った歴史のある絵や、古道具などを見ている時にデザインのアイデアがひらめくことも。「あ、この形、魚みたいに見えるな…」とか。もちろん、祖国のフィンランドからもたくさんのイメージを受け取っています。
―フィンランドのイメージって?
例えば「静けさ」「からっぽ」とか。もしくは「強く」「静か」で、だけど「生き生きしていて」「幸せ」に満ち溢れている、とか。このSYMPHONY OF EXTREMESというビデオは、フィンランド独立100周年を記念してフィンランド政府観光局(VisitFinland.com)とフィンランドの人気ヘヴィメタルバンドAPOCALYPTICAのコラボレーションによるミュージックビデオで、フィンランドのイメージを表現したものなんです。作品のメッセージは「エクストリーム」。フィンランドの静けさと遊び心を静謐な自然の映像にヘビメタ音楽を掛け合わせることで表現してみました。
JOPSU RAMU(ヨップス ラム) | アーティスト/デザイナー
フィンランド出身のアーティスト/デザイナー。パートナーのTimoとともに2006年にデザインカンパニー「MUSUTA」をスタート。「artek」「iittala」「IDÉE」「New Balance」「無印良品」などで、幅広く作品を手掛けている。家族とともにヘルシンキと東京を主な拠点に旅をしながら暮らす。近々、旅のブログを開設予定。
http://www.musuta.com/
https://www.instagram.com/jopsu/